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定型文のスカウトは「求人サイト」、経歴に合わせた給与の提示は「職業紹介」: 国の線引き
二次資料 2026-10-31 · 3 分
就活サイトのスカウトが、法律上「求人サイト(募集情報等提供事業)」の範囲か「職業紹介」かは、文面を誰がどう作るかで分かれる。厚生労働省の業務運営要領(2026 年 9 月)は、どの学生にも共通の定型文のスカウトは職業紹介に当たらない一方、サイトが学生の登録情報に応じて「いままでの職歴等を踏まえると、月額○○万円の給与額で採用される可能性がある」のような文言を付けると、職業紹介に当たる例として挙げている。
2 つの事業の違い
| 募集情報等提供事業(求人サイトなど) | 職業紹介事業(エージェントなど) | |
|---|---|---|
| 国の許可 | 不要(学生の情報を集めるものは届出) | 必要 |
| 学生から報酬 | 取ってはならない(学生の情報を集めるもの) | 原則として取ってはならない |
| 中身 | 求人や求職者の情報を提供する | 求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんする |
(誰が払っているか)
スカウトの例(業務運営要領の【例】から)
| 例 | 区分 |
|---|---|
| 会社が指定した学生に、どの学生にも共通の定型文でスカウトを送る。会社から頼まれた内容と求人情報に、形式的な挨拶や宛名を加えるだけ | 職業紹介に当たらない(例 4-3) |
| サイトが、学生の登録情報に応じて「いままでの職歴等を踏まえると、月額○○万円の給与額で採用される可能性がある」等の文言を付ける | 職業紹介に当たる(例 4-4) |
| 求人者に紹介するため求職者を探し、就職を勧め、応じた人をあっせんする(メールでも同じ) | 職業紹介に当たる(例 1-4) |
| 特定の学生が優先的に面接や連絡を受けられるよう、サイトの判断で順番をつける | 職業紹介に当たる(例 4-5) |
要領は、こうした判断が AI を使った自動処理かどうかに関係なく当てはまるとしている。
受信箱で見たスカウト
学生 1 人に届いた大手サイトのスカウト通知 1,105 通は、文面の 95% が同じで、1,104 通に「企業は個人を特定できません」と書かれていた(スカウトの記事)。サイト A のスカウト 34 通の題名に、受け取った本人に固有の情報は 0 件だった。
こうした共通の定型文の通知は、要領の例 4-3(定型文のスカウト)に近い形をしている。「あなたに興味を持った企業から」という書き方でも、仕組みは条件で絞った情報の提供であることが多い。
学生にとっての意味
- 定型文のスカウトは「あなたを選んだ」という手紙ではなく、条件に合った人への求人情報の案内として読む
- 給与の見込みなど、自分の経歴に合わせた具体的な提示があるサービスは、職業紹介の許可が必要な事業でありうる。許可番号を確かめる(無料は誰が払う の「エージェントを使うなら」)
読むときの注意
- 要領の例は行政の判断の目安で、個々のサービスがどちらに当たるかは実態で判断される。
出典: 厚生労働省職業安定局「募集情報等提供事業の業務運営要領」(令和 8 年 9 月)第 1 の 1(1)(2)の【例 1-4】【例 4-3】【例 4-4】【例 4-5】/ 職業安定法 第 4 条・第 32 条の 3・第 43 条の 3(e-Gov 法令検索)。2026-10-31 確認。