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「人気ランキング」は何を数えているか: 毎週 2 通、59 通を読んだ

データ 2026-10-31 · 6 分

就活サイトから毎週届く「人気ランキング」59 通のうち、大学別の 29 通は「同じ大学の会員のエントリーボタンのクリック数」で順位を付けていた。志望別の 30 通には集計方法の説明がなく、IT 志望向けなのに IT 系の募集は 21.7% だった。

就活サイトのメールには「ランキング」がよく出てくる。何を数えた順位なのか。学生 1 人の受信箱に届いたランキングのメールを読み、順位の付け方がどこに書いてあるかを確かめた。

毎週 2 通、別々のランキング

通数 件名の形
大学別 29 【28卒〇〇大生】に今週人気の募集情報ランキング
志望別 30 【IT業界志望】の28卒就活生に今注目されているインターン・早期選考情報ランキング
投票イベント 13 「総選挙」の告知・投票の呼びかけ

どちらも件名に「プロフィールに合わせた就活情報」と付いている。

大学別: 数えているのはクリック数

大学別のメールには、毎回集計の説明がある(29 通すべて)。

〇〇大学の28卒会員の直近1週間のエントリーボタンクリック数をもとに、いま注目度が高まっている募集情報をランキング形式でご紹介します。

— 大学別ランキングのメール(大学名は伏せた)

「人気」の中身は、同じ大学の同じ学年の会員が、1 週間にエントリーボタンを押した回数。

メールの各順位には「今すぐエントリー」のボタンが付いている。ランキングを見て押した分が、次の週のランキングの数に入りうる。

志望別: 集計方法の説明は 0 通

志望別のメールの冒頭はこう書かれている。

本メールでは「IT業界」を第一志望に登録されている方に、今週注目されている募集情報をランキング形式でお知らせいたします。

— 志望別ランキングのメール

「IT業界志望の人に送る」とは書いてあるが、「IT業界志望の人が押した数」とは書いていない。30 通のうち、何を数えたかを書いたメールは 0 通。

29 週分(1 週 10 件、計 290 件)の題名を見ると、エンジニア・IT・ソフトウェア・システム・開発・データ・AI・Web・DX などの語が入っていたのは 63 件(21.7%)。残りは外資系の金融、戦略コンサル、商社、高級ブランドのインターンなど。

290 件の中に出てきた募集は 183 種類。最も多く出た 1 件は 8 週。

投票イベント: 投票するとスカウトが来る

10 月には、企業が掲げた「公約」に学生が投票するイベントがあった。投票期間は 10 月 1 日から 29 日、候補は 16 社。

告知メールの件名から:

マニフェストに共感した企業に投票すると、その企業から特別なご案内やスカウトが届くチャンス!

— 投票イベントの告知メール 件名(10 月)

投票は、その企業に自分を知らせることにもなる。結果は「最も支持された企業」として発表される。

ルール: 順位の付け方は公開に努める

求人サイト(法律上は「募集情報等提供事業」)には、2022 年 10 月から職業安定法の定めがある。

厚生労働省の Q&A は、この「主要な事項」の例として次を挙げている。

努力義務なので、公開していなくても直ちに違反ではない。

ステマ規制との関係

2023 年 10 月 1 日から、広告であることを隠した表示(いわゆるステルスマーケティング)が景品表示法の不当表示に加わった。景品表示法が対象にするのは、事業者が自分の供給する商品・サービスについて、一般消費者に向けて行う表示。求人の表示については、上の職業安定法が別に定めている。

ランキングを見るときに確かめること

  1. 何を数えたか: クリック、エントリー、閲覧、投票、編集部の選定
  2. 誰の数か: 同じ大学・学年か、志望の登録か、会員全体か
  3. 期間: 1 週間か、累計か
  4. お金: 広告枠と区別されているか。サイトの「表示順について」のページがあるか
  5. 押す前に: ランキングから押したエントリーは、次のランキングの数になりうる

読むときの注意

出典: 職業安定法 第 5 条の 4・第 43 条の 6 / 厚生労働省「令和 4 年 改正職業安定法 Q&A」問 2-2・問 6-1・問 6-2 / 不当景品類及び不当表示防止法 第 5 条(e-Gov 法令検索)/ 消費者庁「令和 5 年 10 月 1 日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」。集計: 受信箱の読み取り専用コピー、2026-10-31 時点。