若者雇用促進法 第 13 条 2 項により、新卒を募集する企業は、学生から求められたら離職者数・残業時間・有休取得日数などの職場情報を、3 つの区分ごとに 1 つ以上出さなければならない(2016 年 3 月 1 日から)。

新卒を募集する企業に、学生は「離職率」「残業」「有休」を聞いてよい。聞かれた企業は答えなければならない。法律にそう書いてある。

- 法律: 青少年の雇用の促進等に関する法律(通称 若者雇用促進法)第 13 条
- 細かい項目: 同法施行規則 第 3 条・第 4 条
- 企業の扱い方: 厚生労働省の指針(平成 27 年厚生労働省告示第 406 号)
- 職場情報の提供は 2016 年 3 月 1 日から始まった

## 何が書いてあるか

第 13 条は 2 段になっている。

| | 対象 | 強さ |
|---|---|---|
| 第 1 項 | 新卒募集を行うすべての企業 | 情報を「提供するように努めなければならない」(努力義務) |
| 第 2 項 | 学生から求められた企業 | 情報を「提供しなければならない」(義務) |

第 2 項の原文:

> 労働者の募集を行う者及び募集受託者は、学校卒業見込者等募集に当たり、当該学校卒業見込者等募集に応じ、又は応じようとする学校卒業見込者等の求めに応じ、青少年雇用情報を提供しなければならない。
>
> — 青少年の雇用の促進等に関する法律 第 13 条第 2 項

「応じようとする」とあるので、まだエントリーしていない段階でも求められる。施行規則 第 2 条により、卒業した人も、新卒と同じ枠に応募する場合は対象に入る。

エージェント(職業紹介)経由の求人にも同じ定めがある(第 14 条)。紹介を受けた、または受けようとする学生が求めれば、求人企業は提供しなければならない。

## 聞ける項目

施行規則 第 3 条が決めている項目は 3 つの類型に分かれる。

| 類型 | 項目 |
|---|---|
| ① 募集・採用の状況 | 直近 3 事業年度の新卒採用者数と、そのうちの離職者数 / 男女別の新卒採用者数 / 平均継続勤務年数 |
| ② 職業能力の開発 | 研修の有無と内容 / 自己啓発の支援 / メンター制度 / キャリアコンサルティングの制度 / 社内検定などの制度 |
| ③ 職場への定着 | 前事業年度の月平均所定外労働時間(残業) / 有給休暇の平均取得日数 / 育児休業の取得状況(男女別) / 役員・管理職に占める女性の割合 |

就活でよく聞く「3 年以内離職率」は、①の「採用者数」と「離職者数」から計算できる。

## 企業が答える量

求められた企業は、①②③の**それぞれから 1 つ以上**を出せばよい(施行規則 第 4 条第 3 項)。どの項目を出すかは企業が選べる。

そのうえで、指針は企業に次のことを求めている。

- 全部の項目を、ホームページや説明会、求人票で出しておくことが望ましい
- 学生が具体的な項目を指定したら、特段の事情がない限りその項目を出すことが望ましい
- 求めがあったら速やかに出すよう努める

そして、聞いた学生を不利に扱ってはいけない。

> 情報提供の求めを行った学校卒業見込者等に対して、当該求めを行ったことを理由とする不利益な取扱いをしないこと。
>
> — 青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主…が適切に対処するための指針 第二 二(三)

労働局の事業主向け資料は、例を挙げている。

- 典型的な不利益取扱い: 情報を求めた人にだけ、説明会など選考の情報を出さない
- 疑われるおそれがあるので行わないことが望ましい: 説明会で情報を求めることをマイナスに評価する言動 / 面接でその応募者が情報を求めた事実に触れる

## 聞き方

施行規則 第 4 条第 2 項で、学生が伝える内容が決まっている。方法はメールか書面。

1. 氏名と、住所またはメールアドレス
2. 学校名と在学年(卒業した人は卒業した年月)
3. 青少年雇用情報の提供を希望すること

この 3 つが入っていればよい。項目を指定すると、上の指針により、その項目が返ってきやすい。

労働局の資料には、ほかに次の扱いが書かれている。

- 説明会や面接の場など本人確認ができる場面では、口頭(電話を含む)で求めてもよい。その場合、企業の回答も口頭でよい
- 就職情報サイト経由や採用ホームページでのプレエントリーも「「求め」となります」
- 企業がホームページで公開している場合は、掲載場所を示すことで回答に代えられる

送り先は採用担当の窓口(マイページの問い合わせ、採用担当のメールアドレス)。エージェント経由なら担当者に頼んでもよい(第 14 条)。

### 文面の例

```
件名: 青少年雇用情報のご提供のお願い

株式会社〇〇
人事部 新卒採用ご担当者様

〇〇大学 〇〇学部 〇年の〇〇〇〇と申します。
貴社の新卒採用への応募を検討しております。

青少年の雇用の促進等に関する法律 第13条第2項に基づき、
青少年雇用情報のご提供をお願いいたします。
特に、次の項目を教えていただけますと幸いです。

・直近3事業年度の新卒採用者数と離職者数
・前事業年度の月平均所定外労働時間
・前事業年度の有給休暇の平均取得日数

氏名: 〇〇〇〇
学校名・在学年: 〇〇大学 〇〇学部 〇年
メールアドレス: 〇〇〇〇@〇〇〇〇

お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
```

## 口コミと何が違うか

| | 口コミサイト | 青少年雇用情報 |
|---|---|---|
| 誰が出すか | 書きたいと思った社員・元社員 | 会社(法律上の義務) |
| 対象 | 書いた人の部署・職種・時期 | 会社全体の、募集している雇用形態の数字 |
| 偏り | 書く人が偏る。[アプリのレビュー](#/a/app-reviews)では、文字を書いた人の半分が ★1 だった | 区分ごとに出す項目を会社が選べる |
| 費用 | 閲覧に登録や投稿が要ることがある | 無料。メール 1 通 |

口コミは「どんな人がどう感じたか」を読むもの、青少年雇用情報は「数字」を取るもの。離職者数・残業・有休の数字は、口コミで推し量るより会社に聞くほうが早い。

## ハローワークの求人では

ハローワークは 2016 年 3 月から、新卒向けの求人を出す企業に、求人申込書と一緒に「青少年雇用情報シート」を出すよう求めている。

## 読むときの注意

- この記事は法令と公開資料をまとめたもので、法律相談ではない。個別の事情は、ハローワークや各地の労働局の相談窓口に聞くのが確実。
- 企業が答えなかった場合の扱い(行政の指導など)は、この記事では扱っていない。
- 項目は 2026-10-31 時点の施行規則による。

<p class="note">出典: 青少年の雇用の促進等に関する法律 第 13 条・第 14 条(e-Gov 法令検索)/ 同法施行規則 第 2 条〜第 4 条(e-Gov 法令検索)/ 厚生労働省「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成 27 年厚生労働省告示第 406 号、令和 4 年厚生労働省告示第 304 号による改正後)/ 東京労働局「若者雇用促進法」事業主向け資料 / 滋賀労働局 報道発表「3 月 1 日から新卒者を募集する企業には職場情報の提供が義務化されます」(2016-02-29)。2026-10-31 確認。</p>
