賞与(ボーナス)は、算定の基準や方法が会社の決定・労使の合意・慣行で定められ、**支給額が決まって初めて**請求できる権利になる。**支給日に在籍している人にだけ払う**という取扱いも有効とされている(最高裁 1982 年、大和銀行事件)。退職金は、就業規則などで支給条件が明確なら「労働の対償」としての賃金に当たる(厚生労働省「確かめよう労働条件」)。

## 賞与

| 事件 | 裁判所・年 | 判断の要点 |
|---|---|---|
| 大和銀行事件 | 最高裁 1982 | 支給日に在籍する人にだけ賞与を払う慣行と、それを就業規則に書いたことには合理性がある。支給日前に辞めた人の請求は認めない |
| 福岡雙葉学園事件 | 最高裁 2007 | 給与規程に賞与の具体的な額や計算方法がなく、前年を下回らない慣行もなければ、賞与の請求権は額が決まって初めて生じる |

**新卒にとっての意味**:

- 入社 1 年目の賞与は、算定の対象期間に在籍していない分が額に反映されないことがある。就業規則・給与規程の算定期間を確かめる
- 辞める時期は、賞与の支給日との関係を見て決める([辞めるとき](#/a/jishoku))
- 求人票の「賞与 年 2 回(昨年実績 4.0 か月)」は実績で、約束ではない

## 退職金

| 事件 | 裁判所・年 | 判断の要点 |
|---|---|---|
| 三晃社事件 | 最高裁 1977 | 同業他社に再就職した場合に退職金を半額にする規定は、功労報償の性格から合理性がないとはいえない([競業避止](#/a/kyougyou-shuhi)) |
| 小田急電鉄(退職金)事件 | 東京高裁 2003 | 懲戒解雇は有効でも、退職金の全額不支給にするほどの背信性はないとして、3 割の支給を認めた |

同じページの解説: 退職金を不支給・減額できるのは、それまでの功績を失わせるほどの重大な背信行為がある場合などに限られる。

**確かめること**: 退職金制度があるか、何年勤めると出るか、自己都合と会社都合で違うか、確定拠出年金(DC)などの形か。正社員以外は対象外のこともある([雇用形態](#/a/seishain))。

## 読むときの注意

- 判例の紹介で、個別の事案の結論ではない。

<p class="note">出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」裁判例: 賞与不払い(大和銀行事件、福岡雙葉学園事件)・退職金不払い(三晃社事件、小田急電鉄事件)の基本的な方向性と判示の骨子。2026-10-31 確認。</p>
