就活サイトのスカウトが、法律上「求人サイト(募集情報等提供事業)」の範囲か「職業紹介」かは、**文面を誰がどう作るか**で分かれる。厚生労働省の業務運営要領(2026 年 9 月)は、どの学生にも**共通の定型文**のスカウトは職業紹介に当たらない一方、サイトが学生の登録情報に応じて「いままでの職歴等を踏まえると、月額○○万円の給与額で採用される可能性がある」のような文言を付けると、職業紹介に当たる例として挙げている。

## 2 つの事業の違い

| | 募集情報等提供事業(求人サイトなど) | 職業紹介事業(エージェントなど) |
|---|---|---|
| 国の許可 | 不要(学生の情報を集めるものは届出) | 必要 |
| 学生から報酬 | 取ってはならない(学生の情報を集めるもの) | 原則として取ってはならない |
| 中身 | 求人や求職者の情報を提供する | 求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんする |

([誰が払っているか](#/a/muryou-dare))

## スカウトの例(業務運営要領の【例】から)

| 例 | 区分 |
|---|---|
| 会社が指定した学生に、どの学生にも**共通の定型文**でスカウトを送る。会社から頼まれた内容と求人情報に、形式的な挨拶や宛名を加えるだけ | 職業紹介に当たらない(例 4-3) |
| サイトが、学生の登録情報に応じて「いままでの職歴等を踏まえると、月額○○万円の給与額で採用される可能性がある」等の文言を付ける | 職業紹介に当たる(例 4-4) |
| 求人者に紹介するため求職者を探し、就職を勧め、応じた人をあっせんする(メールでも同じ) | 職業紹介に当たる(例 1-4) |
| 特定の学生が優先的に面接や連絡を受けられるよう、サイトの判断で順番をつける | 職業紹介に当たる(例 4-5) |

要領は、こうした判断が AI を使った自動処理かどうかに関係なく当てはまるとしている。

## 受信箱で見たスカウト

学生 1 人に届いた大手サイトのスカウト通知 1,105 通は、文面の 95% が同じで、1,104 通に「企業は個人を特定できません」と書かれていた([スカウトの記事](#/a/scout-template))。サイト A のスカウト 34 通の題名に、受け取った本人に固有の情報は 0 件だった。

こうした**共通の定型文**の通知は、要領の例 4-3(定型文のスカウト)に近い形をしている。「あなたに興味を持った企業から」という書き方でも、仕組みは条件で絞った情報の提供であることが多い。

## 学生にとっての意味

- 定型文のスカウトは「あなたを選んだ」という手紙ではなく、条件に合った人への求人情報の案内として読む
- 給与の見込みなど、自分の経歴に合わせた具体的な提示があるサービスは、職業紹介の許可が必要な事業でありうる。許可番号を確かめる([無料は誰が払う](#/a/muryou-dare) の「エージェントを使うなら」)

## 読むときの注意

- 要領の例は行政の判断の目安で、個々のサービスがどちらに当たるかは実態で判断される。

<p class="note">出典: 厚生労働省職業安定局「募集情報等提供事業の業務運営要領」(令和 8 年 9 月)第 1 の 1(1)(2)の【例 1-4】【例 4-3】【例 4-4】【例 4-5】/ 職業安定法 第 4 条・第 32 条の 3・第 43 条の 3(e-Gov 法令検索)。2026-10-31 確認。</p>
