内定の取消しは、取消しの理由が客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる場合に限られる(最高裁 1979 年)。会社の経営悪化が理由でも、取り消し前後の対応に誠実さが欠ければ無効とされた例がある(東京地裁 1997 年)。**内々定**の段階でも、採用への期待が法的保護に値するほど高まっていれば、取消しに慰謝料が認められた例がある(福岡高裁 2011 年)。2025 年度、労働局などへの「採用内定取り消し」の相談は 2,316 件。

## 厚生労働省が紹介する裁判例

| 事件 | 裁判所・年 | 判断の要点 |
|---|---|---|
| 大日本印刷事件 | 最高裁 1979 | 応募は労働契約の申込み、内定通知はその承諾。取消しは社会通念上相当として是認できるものに限られる。本件の取消しは解約権の濫用 |
| インフォミックス事件 | 東京地裁 1997 | 内定は始期付解約権留保付労働契約。経営悪化による取消しは、整理解雇の要素を総合して判断。人員削減の必要性は認めたが、会社の対応に誠実さが欠けていたとして、取消しは社会通念上相当と認められなかった |
| コーセーアールイー事件 | 福岡高裁 2011 | 内々定の段階で労働契約の成立は認めなかったが、契約が確実に締結されるという期待は法的保護に値する程度に高まっていたとして、信義則違反による慰謝料を認めた |

(このほか同じページには、公社の見習社員としての適格性を理由に取消しを認めた 1973 年の高裁判決も載っている)

## 取り消されたら

1. **理由を書面で求める**: いつ、何を理由に取り消すのか
2. **記録を残す**: 内定通知、承諾書、メール、説明の日時と内容
3. **相談する**: 大学のキャリアセンター、新卒応援ハローワーク([既卒・ハローワーク](#/a/kisotsu-3nen))、総合労働相談コーナー([労働相談](#/a/roudou-soudan))
4. **ほかの選考を止めない**: 結論が出るまで時間がかかることがある

内定の取消しを過去 3 年間に行っていないことは、ユースエール認定の基準の 1 つ([ユースエール](#/a/youth-yell))。

内定の法的な扱いと、学生から辞退する手順は[内定辞退の記事](#/a/naitei-jitai-tejun)。

## 読むときの注意

- 判例の紹介で、個別の事案の結論ではない。

<p class="note">出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」裁判例: 採用内定の取消(大日本印刷採用内定取消事件、日本電信電話公社事件、インフォミックス事件、コーセーアールイー事件の判示の骨子)/ 厚生労働省「令和 7 年度個別労働紛争解決制度の施行状況」。2026-10-31 確認。</p>
