厚生労働省のモデル就業規則は、2018 年に副業・兼業を「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」から改め、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」とした。会社が禁止・制限できるのは、**労務提供上の支障・企業秘密の漏洩・名誉や信用を損なう行為や信頼関係を壊す行為・競業**の 4 つに当たる場合、と整理されている。

## モデル就業規則の副業・兼業の条文(改定案)

1. 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる
2. 事前に、所定の届出を行う
3. 次のいずれかに当たる場合、会社は禁止または制限できる
   - 労務提供上の支障がある
   - 企業秘密が漏洩する
   - 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある
   - 競業により、企業の利益を害する

厚生労働省の解説は、就業規則の規定を拡大解釈して必要以上に副業・兼業を制限しないよう、会社に求めている。

## 入社前に確かめること

1. **就業規則**: 副業が届出制か、許可制か、禁止か。モデル就業規則は参考で、会社の規則は会社ごとに違う
2. **個人の開発・制作**: 個人のアプリ、OSS、作品の販売、技術記事の収入などが「副業」に当たるか。成果物の権利の扱い(職務発明・職務著作の規程)
3. **競業**: 同じ業界の仕事を受けるときは、競業に当たらないか([競業避止](#/a/kyougyou-shuhi))
4. **労働時間**: 雇用で副業する場合、労働時間は通算される。本業と合わせた働きすぎに注意([過重労働](#/a/kajuu-roudou))

## 副業の所得と確定申告

1 か所から給与を受けて年末調整を受けている人は、給与以外の所得(副業の事業所得・雑所得など)の合計が **20 万円以下**なら、所得税の確定申告をしなくてよい(所得税法 第 121 条第 1 項第 1 号)。

- 20 万円は**所得**(収入から経費を引いた額)。売上ではない
- 住民税は別の扱いになる。住んでいる市区町村で確かめる
- 2 か所以上から給与を受ける場合(雇用で副業する場合)は、条件が違う(同項第 2 号)

## 読むときの注意

- モデル就業規則は国のひな形で、会社に従う義務はない。
- 法律相談ではない。

<p class="note">出典: 厚生労働省「モデル就業規則の改定案(副業・兼業部分)」/ 同「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」(2025 年 3 月)/ 所得税法 第 121 条(e-Gov 法令検索)。2026-10-31 確認。</p>
